研究概要 |
結合発振器モデルの制作と解析を行なっている.すなわち,発振器モデルとして(1)レ-リ-型の柔らかい発振器,(2)レ-リ-型の硬い発振器,(3)RCーコンパレ-タからなる弛張発振器の3種類を,また結合方式として,(1)直接結合,(2)拡散的結合の2種類を考え,これらの組み合わせにより得られる結合発振器モデルの方程式を得た.これらのモデル方程式と化学反応系,生体系の睡眠覚醒リズムとの対応を考慮し,幾つかの方程式について解析を進めている. 次に,具体的な解析の状況であるが(1)2個からN個の柔らかい発振器の結合系にみられる,同相およびN相モ-ドに同期する同期現象を解析した.これらの結果は,化学反応系に生じるN相振動と比較検討中である.(2)硬い発振器の結合系において,準周期振動の包絡線が同期する現象を見いだした.この現象を分岐理論の立場から解析中である.(3)カオス振動を持つ発振器を正弦波で励振した場合に生じるカオスの同期現象を解析した.この現象は,生体系の睡眠覚醒リズムとの関係が非常に興味深いので,今後さりに分岐のメカニズムを解析する必要がある.(4)神経振動体のモデルとして考えている方程式から,発振モ-ドの移行する現象を見いだしたが,この現象も分岐理論から説明できるので,現在解析を進めている.(5)睡眠覚醒リズムを弛張発振器でモデル化した場合,不連続点を許した力学系として定義できることが分かったので,この結合モデルについても解析を行っている.
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