研究概要 |
背云直流磁界を1mG以下に遮断できる磁気シェイキング付き強磁性円筒磁気シ-ルド(長さ7.5cm,直径25cm)と,長さ18mm,直径300μm弱の微小フラックスゲ-ト磁界センサを開発し,菅々の背景磁界(最大5G以下の交流磁界と直流磁界の任意の組合せ,分布は3通り)下で冷去される高温超伝導体にトラップされる磁束の分布をスキャン測定するシステムを完成した[実施計画1,2]。磁気シ-ルドは角形アモルファス導帯(約1kg)を用いての製作した。200Hzのシェイキング磁界を施することによって,円筒半径方向の直流から数+Hzにわたる外乱磁界を1/600に低減する。磁界センサは,直径120μmの無磁歪アモルファス細線と,コンプリメンタリMOSFETを使用し作製した。動作周波数は液体窒素中で狩160KHzで,その時の感度,分解能はそれぞれ0.13V/G,0.76mGであった。高温超伝導体は長さ50mm,幅27mm,厚さ5mmのBiSrCaCuO系(Tc=100K,Jc=50A/cm^2)を入手し,種々の条件でトラップ磁束を測定した[実施計画3]。その結果,背景磁界が交流,直流に限らず一旦トラップされた磁束は,背景直流磁界を極めて小さくした環境で,磁束トラップさせるために当初印加した磁界より少し大きめの初期振幅減衰交流磁界を印加してやると大幅に(5mG以下)低減可能なことが明らかとなった。この結果から研究者らが提案している磁気シェイキング付き軽量筒易形強磁性磁気シ-ルド内で(背景直流磁界は極めて効果的に遮断するが,外部調節可能なシェイキング磁界はわずかに漏洩する),高温超伝導容器を冷却すればトラップ磁束を最大でも5mG程度にできる見通しが得られた。一方,3%高配向硅素鋼板(20cm×20cm)のシ-ルド特性は,鋼板の磁気異方性方向(圧延方向)と外乱磁界方向が平行となる時,シェイキングによって数倍強化される結果が得られた。シェイキング電力は約25w/m^2であることがわかった。[実施計画]4
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