研究課題/領域番号 |
03805038
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
清水 茂 信州大学, 工学部, 助教授 (90126681)
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研究分担者 |
酒造 敏廣 大同工業大学, 工学部, 助教授 (90137175)
大上 俊之 信州大学, 総合情報処理センター, 助教授 (80152057)
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キーワード | 腹板 / 局所荷重 / 耐荷力 / 崩壊機構 / 補剛効果 |
研究概要 |
本年度は、特に補剛材の効果に注目して、腹板パネルの挙動を支配するパラメーターや、パネルが崩壊するに至る過程を数値解析により調べた。本年度に扱ったモデルは、基本的には昨年度のものと同じであるが、新たに、水平補剛材の剛性をパラメーターに追加した。解析では、昨年度の主題であった腹板の最大荷重や最終段階の崩壊形式ばかりでなく、腹板が崩壊に至る過程や、弾性座屈挙動にも注目した。 解析の結果、次のことがわかった。 1.昨年度の研究でわかっているように、モデルによっては、その強度は水平補剛材によりむしろ低下する。この場合、補剛材の剛性を小さくすると、強度は補剛材のない場合に近づく。 2.補剛材により強度が減少するモデルであっても、弾性座屈荷重に注目すると、座屈強度は向上している。 3.曲げモーメントの作用するモデルでは、水平補剛材は、ある程度の効果を有する。 4.最終的な崩壊形式や、それに至る過程は、補剛材の有無や剛性、曲げモーメントの有無や大きさにより、つぎの4種類に分類される。 (1)モーメントが小さく、補剛材がないと、腹板に2本の塑性線が生じて崩壊する。 (2)モーメントが小さく、補剛材位置が下フランジに近いか、補剛材の剛性が小さいと、腹板に2本の塑性線が生じるとともに、腹板下部が面内圧縮により降伏して崩壊する。 (3)モーメントが小さく、通常の補剛材があると、腹板下部の面内圧縮による降伏で崩壊する。 (4)モーメントが大きいと、補剛材の有無に無関係に、腹板はほぼ健全のまま、フランジの降伏により崩壊する。
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