1.2-ナフトールとオレフィンとのルイス酸存在下における光反応 すでに2-ナフトールがエチレンと[2+2]付加を行うことを見いだしているので、エチレン以外のオレフィンとの反応について検討した。その結果、アレンが[2+2]付加体1を与えることを見いだしたが、他の電子豊富アルケンの場合、ルイス酸触媒によるフリーデル-クラフツ型の反応が競争的に起こるため、反応は複雑となり明確な結果は得られなかった。 2.1-ナフトールとエチレンとのルイス酸存在下における光反応 1-ナフトールおよびその誘導体とエチレンとの反応は、置換基によって著しく異なることが分かった。 即ち、無置換体および3-メチル体は高収率で[2+2]付加体2を与え、2-ナフトール以外の基質でも[2+2]付加が進行することを見いだした。ところが、2-アルキル置換体の場合インデノン構造をもち環縮小した付加体3が主生成物として得られ、[2+2]付加体は生成しなかった。同様に6-メトキシ体からもインデノン4が得られた。このような環縮小を伴う付加反応はこれまで全く前例の無い反応であり、反応機構の詳細や置換基の効果については十分理解されていないが、ナフトール類の合成化学的利用について新しい局面を拓く可能性を示唆するものである。
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