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1992 年度 実績報告書

選択的光付加反応の利用による抗ウィルス・抗腫瘍炭素環ヌクレオシド類の合成

研究課題

研究課題/領域番号 03805079
研究機関鹿児島大学

研究代表者

下茂 徹朗  鹿児島大学, 工学部, 助教授 (80041565)

研究分担者 村岡 富美子  鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (90229948)
植村 寿子  鹿児島大学, 工学部, 助手 (20041535)
染川 賢一  鹿児島大学, 工学部, 教授 (10041534)
キーワード光環化付加 / 三置換シクロブタン / マレイミド / N-ビニルアセトアミド / 炭素環核酸アナログ / 抗ウィルス
研究概要

炭素環オキセタノシンは、高い抗ウィルス活性を示し抗エイズ剤として有効であることから、その立体選択的合成が望まれている。そこで本研究では、炭素四員環構築に有用な手段である光付加反応を利用して炭素環オキセタノシンの中間体となる三置換シクロブタン類縁化合物の立体選択的な合成及び核酸塩基誘導体の合成について検討した。
まず、シクロブタン体の合成に関しては、酢酸ビニルと無水マレイン酸との光増感反応からall-cis三置換シクロブタンジカルボン酸1__-を立体選択的に合成できた。N-ビニルアセトアミドとマレイミドとの光反応からはシクロブタン体2__-(exo:endo=1:1)を得た。一方、N-ビニルアセトアミドと1,4-ジアセトキシ-2-ブテン及びフマル酸ジメンチルとの光反応からは原料の分解または異性化が起こり、シクロブタン体は生成しなかった。次に酸または塩基触媒を用いて1__-、2__-のエステル化を行った結果、いずれらかも環の組換えを経た反応からのδ-ラクトンまたはδ-ラクタム誘導体を与えた。そこで、1__-をジアゾメタンでエステル化後、核酸塩基としてアデニンとの結合反応を行った結果、all-trans三置換シクロブタニルプリンを合成できた。さらにこれをLiAlH_4で還元し、目的とする炭素環オキセタノシンに誘導できた。本合成法の特徴は、選択的光付加反応を利用してall-cisの立体構造をもつシクロブタン体から核酸塩基との反応でall-trans構造のKey中間体に変換し、わずか4ステップで炭素環オキセタノシンを合成したことにある。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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