研究概要 |
本研究は、ポリマーミクロゲルをもとにして新しい集積材,ポリマーアロイを調製することを主目的とした。このためまづ基礎的知見を得る一連の研究を行なった。 研究は次の各方法によって実施した。1:4-ビニルピリジンを主成分とする新規ミクロゲルの調製。2:ミクロゲル集合体の構造解析法の確立。3:ミクロゲル混合系において規則的配列構造が発現する条件をコンピュータシミュレーションによって整理すること。 以上のような目的,方法によって以下に要約する結果が得られた。 1:反応性ポリマー界面活性剤を用いる乳化重合,およびプレポリマーの橋かけによって從来調製が不可能であった4-ビニルピリジン系ミクロゲル(直径20〜800nm)得ることができた。2:走査型電子顕微鏡によって試料の同一場所を角度を変えて観測し画像解析することによってミクロゲルの配列を知り構造を明らかにする方法を開発した。3:4-ビニルピリジンを主成分とするミクロゲルと,表面に水酸基を有するスチレン系ミクロゲルの混合系において,Laves,相MgCu_2型およびNaCl型結晶構造が発現すること,この構造は粒径比によってほぼ決定されることを見出した。特に前者においては適切な割合で混合すると結晶相が90%以上に達することが判った。さらに実験とコンピューターシミュレーション結果の対比から,近距離において異種間に引力が働く系で規則的な構造が発現し易い結論を得た。またこれらの構造は化学的な方法によって固定できることを見出した。
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