アニオン重合により生成したリビングポリスチレン、及びポリイソプレンを用い、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を保護した部分を持つアルキンハライドと反応させることで、末端に水酸基、アミノ酸、及びカルボキシル基を持つテレケリックポリマ-の合成を行なった。得られたポリマ-をNMR、GPC、TLCーFID法により詳細に解析した結果、末端にほぼ定量的(95〜100%)に目的の官能基が導入されていることを見い出した。GPCより、ポリマ-の分子量は予想通りであり、それらの分子量分布は非常に狭く、Mw/Mnで1.05〜1.15程度であった。従って得られたテレケリックポリマ-はほぼ理想通りの構造を有していることがわかった。現在この方法を拡張して、末端にアルデヒド基、ケトン基、さらにアルコキシシリル基の導入を検討中である。 一方、不溶性支持体として、架橋(ジビニルベンゼンによる)ポリスチレンにテレケリックポリマ-末端官能基と反応する基の導入を試み、クロロメチル基に加え、カルボキシル基、アミノ基の導入を行ない、ベンゼン核当り、10〜50%程度導入することに成功した。また、反応性の高いアルコキシシリル基やアミノシリル基を持つポリマ-やモノマ-を用い、多孔質シリカゲルにそれらの活性なシリル基の導入を行なった。表面にアルコキシシリル、及びアミノシリル基を持つ多孔質シリカゲルを合成することができた。さらに活性シリル基と各種試薬を反応させることで、カルボキシル基、アミノ基、及びクロロメチル基の導入を行なった。 以上、得られたテレケリックポリマ-と官能基を持つ不溶性支持体(ポリスチレンゲル、シリカゲル)との反応を行ない、反応条件を検討している所である。
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