研究課題/領域番号 |
03805088
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 栄二 東京大学, 工学部, 助教授 (50226495)
|
研究分担者 |
菊地 昌子 東京大学, 工学部(退職), 助手 (60158871)
牧島 房夫 東京大学, 工学部, 講師 (30181613)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
キーワード | mRNA安定性 / 蛋白質合成速度 / 動物細胞 / 細胞培養 / 蛋白質生産 / mRNA改造 / メッセンジャーリボ核酸 / 分解速度 |
研究概要 |
本研究では動物細胞培養における有用タンパク質生産効率向上の方法をシステマティックに追求する工学の一環として、mRNAの安定化と細胞増殖速度抑制を組み合わせる方法を研究した。最初にmRNA安定化と増殖抑制が協働して細胞あたりタンパク質生産速度を大きく向上させることを細胞内生化学現象を数式化して組み合わせた数学モデルを使って予言した。このモデルは細胞周期現象とDNA転写及びmRNA翻訳速度と関連づけた構造化モデルである。 次に実際に十分に安定なmRNAにより生産される抗体を有用タンパク質の例として取り上げ、モデルの予言と実験結果の整合性を確認した。即ち増殖抑制に伴い細胞内に抗体のmRNAが蓄積し、同時に抗体生産速度が上昇する事実を実験により確認した。 3番目に次に増殖抑制の方法によってはmRNAが安定であっても増殖抑制によりタンパク質生産速度が上昇せず、時には低下するケースの存在をモデルが予測したため、タンパク質生産速度向上に適した増殖抑制方法と不適な方法を理論(モデル)と実験の両面から分類した。 最後に野生型では不安定なmRNAを人工的に安定化してタンパク質生産速度を向上させる実験をインターロイキン-2を例として行なった。3'非翻訳領域のAUrich部を部分的に削除する方法で安定化を試みたところ、インターロイキン-2生産速度は向上したが、mRNA安定化に因るものか遺伝子コピー数の増大、転写促進等の原因に因るものか詳細な検討が今後必要である。
|