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1992 年度 実績報告書

椎葉村の焼畑における不均一性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03806003
研究機関大分短期大学

研究代表者

佐々木 章  大分短期大学, 助教授 (60105210)

キーワード焼畑 / 不均一な収量 / 不均一な気象条件 / 不均一な土壌水分
研究概要

椎葉村に伝わる焼畑の状況は,水田や常畑に較べると著しく不均一である.しかし収量は低くても,そのためにかえって気象状況の変動にたいして比較的に安定であるように観察された.このような不均一な状況を具体的に明らかにするために,平成3年度から調査区を設定して生育状況を観察した.たとえば7月のヒエ150本の草丈の平均は45.5cmであったが,最高は86.0cmにおよび最低はわずかに12.0cmであった.また在来の3品種のヒエ(シロヒエ,オソビエ,ケビエ)について本学の圃場で栽培観察したところ,草丈と分げつはオソビエがやや盛んで,出穂はシロヒエが3〜6日早いことがわかった.焼畑経営農家の庭の一隅に,長期自記温湿度計と長期自記雨量計を設置したが,十分な精度でデータが得られるようになったのは4年度になってからであった.気象に関する基礎的なデータを得ると同時に,焼畑とその周辺7か所にシックス最高最低温度計と簡易形の雨量計を設置して1か月ごとの観測をおこなった.また,土壌水分も測定した.焼畑は北西向きの斜面に営まれている.観測地点の標高差は20mほどであるが,やや谷の部分と日当りのよい尾根筋の中腹の部分では最高・最低気温に13.2〜2.0℃の差が認められた.4月から10月までは見晴らしのよい尾根部で気温差が大きく,最高気温と最低気温を記録したが,11月から3月にかけて,最低気温を記録したのは,やや谷状の地形を示した観測点であった.雨量も地形による偏りが大きい.尾根部で小さく谷部で大きかったが,杉林の中は小さかった.小さな谷地形,特に林に近い部分で降水量は大きいと推察された.観測期間中,もっとも降水量が少なかった1992年11月の土壌水分をみると,体積含水率は杉林の中にあたるNo.6が最も大きく続いて谷部のNo.4が大きい.反対に小さいのは日当りのよい尾根下部であった.しかし,これらの要因と坪苅り調査結果との間に有意の関係は見いだせなかった.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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