研究概要 |
著者はBifidobacterium adolesentisから真性グルコ-ス・イソメラ-ゼを世果で始めて発見した。そこで本酵素の存在分布を調べるため、Bifidobacteriumのlongum,liberolum,breve,bifidum infantisについて検討した結果、グルコ-ス・イソメラ-ゼは上述のadolescentisにもっと高い活性が示された。ついでグルコ-ス・イソメラ-ゼについてその精製を行なった。先ず本菌の本酵素活性の高い対数増殖期に本菌を集菌、超音波破砕後、無細胞抽出液を、硫安塩析,DEAEcellulose及びToyopearllHWー55ゲル濾過、HPLC(DEAE5PW)及び分取型電気泳動装置(Prep.Cell)にて本酵素を精製した。本酵素は分子量24万でサブユニット構造を有し、とくに本酵素はグルコ-スのみに作用、他の6炭糖、5炭糖には作用しないことが明らかになった。本酵素のグルコ-スに対するKm値は8mMであり、他の微生物のグロコ-ス・イソメラ-ゼ活性Km値に比べはるかに低かった。一方、本酵素は不安定であるので本菌の染色体DNAを制限酵素で分解、本酵素の遺伝子をPBR322のベクタ-を用い大腸菌のクロ-ニングを行なった。現在上述の2つの方法から本酵素と単離、精製、単一酵素の分離について検討している。なお、本酵素についてはBiosc.Biotech.&Biochem.の1992年1月号に速報として掲載された。
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