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1992 年度 研究成果報告書概要

鶏卵卵白由来の抗腫瘍性高シアロ糖ペプタイドの解析

研究課題

研究課題/領域番号 03806042
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 畜産化学
研究機関岐阜大学

研究代表者

渡邊 乾二  岐阜大学, 農学部, 教授 (70023447)

研究期間 (年度) 1991 – 1992
キーワード鶏卵濃厚卵白タンパク質 / β-オボムチン / 抗腫瘍活性 / 高シアロ糖ペプタイド
研究概要

新鮮鶏卵卵白中の濃厚卵白より粗オボムチンを得,さらに常法に従って高シアロ糖蛋白質(HSGT)を分画した。この蛋白質は卵白中に不溶型β-アボムチンとして存在し,易熱性で400KDという分子量を有していた。このHSGTをトリプシン処理して高シアロ糖ペプタイド(HSGPE)を分画した。これらの物質をin Uitroにおいて腫瘍細胞に培地中に添加することによって,細胞膜表面のマイクロビリに著明な変性を与えることをまず確認した。この作用機序については,腫瘍細胞の膜表面だけに作用しているのか,あるいはDNA合成にも影響をおよぼしているのか明白でなかった。6^<-3>Hチミジン(^3H-TdR)を用いて,細胞内の取り込みによるHSGT,あるいはHSGPE添加後の腫瘍細胞のDNA合成能を測定した。腫瘍細胞にはHepatomacell, ^3LLcell, SR180cell, SEKIcell, IMR90cellを用い,細胞数は10^4〜10^5個/2mlとした。これらの各種腫瘍細胞において,^3H-TdRの取り込みはHSGTの添加群では15〜40%の減少が認められた。腫瘍細胞によってその減少度に差があったが,これはHSGTに対する感受性が細胞によって異なっていることによると推論した。一方,正常体細胞はHSGT投与によってほとんど影響を受けなかった。以上のことから,HSGTは腫瘍細胞の膜表面だけに作用するだけでなく,核内のDNA合成能も阻害することによって細胞増殖活性を低下させるものと明らかにした。HSGPEはHSGTよりも弱いながらも同様の活性を有すると結論した。なお,HSGTとHSGPEの化学的・物理的性質について解析し,上記生物機能発現には糖鎖のみならず,ペプタイド部分も必要であると示した。平成3〜4年度科学研究費補助金にて購入した高速冷却遠心機,分光光度計とペンレコーダーは,試料の調製,細胞の数と濁度の測定,およびその記緑に有効利用した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 渡邊乾二: "乳の感染防御因子" 乳技協資料. 42. 1-14 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大網弘: "鶏卵卵白オボムチン由来シアロ糖蛋白質の腫瘍細胞傷害作用" 医学と生物学. 126. 19-23 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 渡邊乾二: "Functions of Fermented Milk" Elsevier Applied Science, 21 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 渡邊乾二: "ミルクのサイエンス" 全国農協乳業プラント協会, 16 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Kenji Watanabe: "Antiinfective factors in milk" Bulletin Jap. Dairy Tech. Asso. 42. 1-14 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Hiroshi Ohami: "Cytotoxic effect of sialoglycoprotein derived from avian egg white ovomucin on the cultured tumor cell." Medicine and Biology. (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kenji Watanabe: "Functions of fermented milk." Elsevier Applied Science. 355-376 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kenji Watanabe: "Science of milk" NAMP Assoc. 121-137 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1994-03-24  

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