研究概要 |
1.Dipeptidesであるcornosine及びanserineは、そのATP energy産生源を嫌気的代謝に依存する速筋で遅筋におけるより高値を示した。(P<0.01) 2.anserine/carnosine ratioは、加齢に伴い増加し、carnosine産生の方がanserineより早期で、ある事を示すが、9-11週齢より20週齢以上に移行するとcarnosine levelは有意に減少し、(P<0.05)この変化が早期には主にanserineの増加により、或週齢からはcarnosineの減少に依存する事が確認された。 3.endurance trainingは、anserine及びcarnosine content及びratioの加齢による増加速度をSOL及びEDL両筋で減少させた。(carnosine;P<0.01,anserine;P<0.001,ratio;P<0.01) 4.ヒト血液中のcarnosine levelは、control群で23.0±1.12moles/mlでendurance training群で5.04±2.04n moles/mlであり、骨格筋との関係が着目された(P<0.01)。 5.慢性のstress,infection,ischemic denervationでは、anserineの変動はなく、carnosineの顕著な減少(90%のreduction)及びfree histidineの10倍近い増加が報告されているが、endurance trainingにおいては、3の結果に相当するfree histidine及びその構成amino酸の増加は認められなかった。この事からtrainingによる両peptides変動の機構が、従来測定されたinfection等によるものとは異なる機構による事が示唆された。 6.筋ジストロフィー症のmodel動物であるmdx mouseの速筋及び遅筋におけるcarnosine levelの減少、並びにanserine/carnosine ratio増加の傾向が認められた。
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