• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

増殖抑制性単クローン抗体の開発とその機序の解析-特にアポプトーシスについて-

研究課題

研究課題/領域番号 03807020
研究機関札幌医科大学

研究代表者

高橋 秀史  札幌医科大学, 医学部, 助手 (40231394)

キーワードアポトーシス / 増殖抑制 / Tリンパ球 / 刺激伝達機構 / 表面抗原
研究概要

Tリンパ球細胞株(SUP-T13)を免疫原としてこの細胞に増殖抑制をおこす単クローン抗体を作成した。クローン1B9(IgG1)、4F9(IgM)はそれぞれ90kDa、180kDaの細胞表面抗原を認識し、可逆的な増殖抑制をおこした。クローン2DI(IgM)は、SUP-T13、Jurkat、CCRF-CEM、Molt-4、Molt-3のT細胞株にApoptosisを起こすことが判明した。これらのうち、SUP-T13は最も感受性が高く、1ng/mlの2D1で増殖抑制が認められ、2-3時間以内に核の断片化やoligonuclesomeのladder patternが観察された。U937、K562、Reh(B cell)、DaudiではApoptosisは認めなかった。この表面抗原分子の同定は、困難であったが、アポトーシス刺激を伝える細胞表面抗原であるFas遺伝子を発現させたマウス細胞株と反応し、ヒトFas分子を認識していることが強く示唆された。
SUP-T13から、2D1耐性株(LAC2D1R)を分離樹立した。この細胞上には、SUP-T13と同等の2D1抗体反応性が認められ、apoptosisに至るシグナルの欠損が示唆された。しかし、LAC2D1Rは、カルシウムイオノフォアA23187、放射線刺激などのapoptosisを起こしえる刺激に対しては、感受性はかわらず、比較的初期のシグナルの欠損であることが示唆された。これらの細胞において、Hsp70、bcl-2、p34cdc2、Retinoblastoma gene productなどの発現は同等であった。
現在は、2D1によって認識される抗原とその刺激伝達機構について解析を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高橋 秀史,他: "An antiproliferative monoclonal antibody,4F9,reacts with a subset of human CD45 molecules" Tumor Research. 27. (1992)

  • [文献書誌] 高橋 秀史,他: "T細胞レセプターを介するアポトーシスの機序" 臨床免疫. 24. 1039- (1992)

  • [文献書誌] 高橋 秀史: "細胞死の生物学(三羽信比古編)" 東京書籍, (1993)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi