研究概要 |
1.全身性リンパ節腫大が悪性か否かの解析 育成樹立したMRL/lpr-Thy1コンジェニックマウスを応用して、腫大リンパ節を構成する細胞は、多クローン性であること決定した(投稿準備中)。 2.lpr遺伝子による全身性リンパ節腫大の責任細胞の同定 平成3年度までの研究で、責任細胞がリンパ節間質細胞であることがほぼ確認された。同時に、lpr-GvHDの責任細胞が骨髄細胞であることも明らかにした。 3.lprとgldの組合せ C3H/lprとC3H/gldマウスを利用して、リンパ節腫大の受身移入実験を行い、病理学的には判別し難い両系統のリンパ節腫大の原因が、C3H/lprマウスではリンパ節側に、C3H/gldマウスでは骨髄細胞側にあることを確認した。 4.微小細胞集団の解析 lpr、gldマウスで著増するCD4陰性、CD8陰性、B220陽性T細胞は正常マウスでは微小集団として存在する(例えば、胸腺では1%以下)。当研究に資する目的で、細胞集団中に1%以下の頻度で存在するの微小集団の同定法を開発した(投稿準備中)。 5.本研究で応用された方法論(機能面から遺伝子へのアプローチ)の定式化 遺伝子レベルでの異常に起因する病態の機序を解析する新しい方法論として、本研究で採用した機能病理学的アプローチが極めて有効であることが示唆された。MRL/lprマウスに応用した方法に就いては、発表論文中で簡単な考察を加えたが(Immuno biology, 186:449,1992)、一般化は今後の課題である。
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