研究課題/領域番号 |
03807025
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
岩本 義久 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (60046290)
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研究分担者 |
福長 将仁 福山大学, 薬学部, 教授 (20132483)
増澤 俊幸 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (10181645)
柳原 保武 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (30046255)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | Borrelia burgdorferi / ライム・ボレリア症 / PCR / RFLP / ワクチン / Osp A / Osp B / 鞭毛 |
研究概要 |
遺伝子診断法の開発 ライム病ボレリアの鞭毛蛋白遺伝子、及び主要表層蛋白A(Osp A)並びにOsp B遺伝子増幅プライマー対を合成し、これらの増幅性を調べた。鞭毛プライマーにより日米欧のすべてのライム病ボレリア、並びに回帰熱ボレリアの遺伝子を増幅検出することができた。本プライマー対を用いて増幅したPCR産物を再度PCRする二段階PCR法により1個のボレリアを検出することを可能とした。本プライマー対を用いて実験的感染マウス尿、並びに耳介組織からのボレリア遺伝子の検出診断が可能であることを明らかにした。更に、Osp A-Osp Bプライマーを用いて増幅されたDNAを制限酵素断片長多型性解析することにより、ライム病ボレリア4遺伝種、B.burgdorferi、B.garinii、B.afzelii、並びにB.japonicaの同定が可能であることを明らかにした。 予防ワクチンの開発 ddYマウス足蹠皮下に病原性ボレリアを接種すると、5日から14日かけて足の腫張が見られた。この反応は死菌体、あるいは培地の投与では誘発されず、特異的病変であることが明らかとなった。また、感染動物の膀胱、心臓から効率よくボレリアが分離され、本感染実験系が有用であることを明らかにした。本モデルを用いて主要感染防御抗原とされるOsp A、Osp Bの性状を異にする株間での交差感染防御活性を調べた。Osp A、Osp Bの免疫学的性状を異にする株間では交差感染防御が成立せず、また同じ免疫学的性状のOsp A、Osp Bを保有する株間でも、交差感染防御は不完全であり、このほかの感染防御抗原の関与が示唆された。この他の感染防御抗原としてOsp Cの関与が予想され、現在本抗原の感染防御活性を検討中である。以上の結果はその地域ごとに発生が予想される感染防御抗原型の菌株をワクチンとして用いなければならないことを強く示唆し、流行する菌株の迅速な同定法の開発が今後重要な課題となるであろうことを明らかにした。
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