ラットクラス1b遺伝子を遺伝子クローニングと_cDNAクローニングにて単離し、塩基配列の決定をすることにより下記の成果をあげた。 1.ラットTL遺伝子の同定、単離と塩基配列の決定。マウスTL特異的プローブを用いてラットゲノムクローンを9個単離し、3個の遺伝子の塩基配列の一部を決定した。2個の遺伝子は、RTL-1、-2と名付けたが、その3領域はマウスTLときわめて高いホモロジーを示した。現在、_cDNAクローニングを試みている。 2.ラットCD1_cDNAの単離と塩基配列の決定。クラスIb分子の1つであるCD1の進化学的意義と機能を知るため、ラットCD1_cDNAクローンを単離した。クローン27.1.1はヒトCDld、マウスCD1と高いホモロジーを示し、リンパ組織での発現を認めるほか肝、腎などでもmRNAの発現を認めた。 3.ラット胸腺に発現するクラスI遺伝子の同定。少なくとも60個以上はあると推定されているラットクラスI遺伝子のうちどの位の種類のクラスIが発現されているかは全くわかっていない。胸腺から作成した_cDNAライブラリーをクラスI共通プローブでスクリーニングし約60個のクラスI_cDNAクローンを得た。うち20個の膜通過部エクソン5の塩基配列を決定し、現在まで少なくとも13種類のクラスI遺伝子が発現されていることをつきとめた。今後はこれらのクラスIbの大腸菌組み換え蛋白に対する抗体を作成して、 1.ペプチド結合分子としての性格を保有するか 2.どのようなペプチドを結合しているのか 3.γδT細胞などにより認識されうるのか否かについて検証する予定である
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