研究課題/領域番号 |
03807031
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
知念 良教 京都大学, 保健診療所, 助手 (70155307)
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研究分担者 |
糸川 嘉則 京都大学, 医学部衛生学教室, 教授 (80025593)
木村 美恵子 京都大学, 医学部衛生学教室, 助教授 (60025658)
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キーワード | ポリアミン / 補体感受性 / ジフルオロメチルオルニチン / メチルグリオキサルビスグアニルヒドラゾン / トランスグルタミナーゼ / K562細胞 / 高速液体クロマトグラフィー |
研究概要 |
K562細胞をポリアミン合成阻害剤のdifluoromethylornithine(DFMO)あるいはmethyl-glyoxal-bis-guanylhydrazoneと共に3日間培養すると、死滅細胞は殆どみられないが、細胞の増殖は抑制され、ポリアミンの含量が低下した。主としてスペルミジンの濃度が低下するに従ってウサギ抗K562細胞血清とモルモット補体による細胞障害(以下補体感受性と略す)が増強された。プトレッシンとスペルミンはこの補体感受性の増強に殆ど関与していないと思われる。 Transglutaminase(TGase)はタンパク質とタンパク質を架橋し、アミン類とタンパク質を結合してより高次の構造を形成する酵素で、すベての細胞に存在し、Ca^<2+>によって活性化される。したがって補体によって細胞膜が障害を受けると細胞外から細胞内へCa^<2+>が大量に流入するからTGaseは活性化されるものと考えられる。ポリアミンには、TGaseの基質としての役割もある。DFMOによってポリアミンの濃度が減少した細胞にTGase阻害剤であるdansylcadaverineあるいはamantadineを追加して作用させると補体感受性の相乗的増強がみられた。これらの事からDFMOによるK562細胞の補体感受性の増強は、基質としてのポリアミンの減少に伴うTGaseの機能低下に基づいている事が示唆される。ポリアミンとTGaseとCa^<2+>は補体による細胞膜障害に対する修復機構を形成している可能性がある。
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