[目的]リンパ球細胞間接着分子Blastー1/CD48抗原遺伝子の型と自己免疫疾患の相関を解析した。 [方法]正常人および自己免疫疾患患者の末梢血よりDNAを抽出精製した。DNAを制限酵素Bam H1で切断し、アガロ-スゲル内で電気泳動し、サザントランスファ-を行い、CD48遺伝子cDNAとハイブリダイゼイションを行い、遺伝子DNAの型を決定した。 [結果] 1.正常人および自己免疫疾患患者においてCD48遺伝子DNAの制限酵素切断片長多型性(restriction fragment length polymorphism:RFLP)は2種類認められた。これらをL型、S型とし、遺伝子型をLーL型(L型ホモ)、LーS型(ヘテロ)、SーS型(S型ホモ)とした。 2.皮膚筋炎(PM/DM)の70%はLーS型であった。 3.他の膠原病の合併の無いシェ-グレン症候群(SJS)は全例LーL型であった。 4.肺線維症を伴う予後不良の強皮症(PSS)はLーL型が多く、予後が比較的良好な強皮症はLーS型が多く認められた。 [結語と今後の計画]自己免疫疾患(PM/DM、SJSおよびPSS)の発症および症状発現とBlastー1/CD48抗原遺伝子またはBlastー1/CD48抗原遺伝子の近傍の遺伝子は関連性があると考えられる。今後、多くの自己免疫疾患において、Blastー1/CD48抗原遺伝子多型性と疾患に関連の深いHLA抗原の多型性を同時に観察する予定である。
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