研究概要 |
1.遺伝子変異検索の為のPCR法の確立 3類種のRas遺伝子(NーRas,HーRas,KーRas)のユドン12,13或は16番目についてのOne Point Mutationの検索をする為に,検体からDNAを抽出し,二つのPrimer(合成DNAで20前後の塩基よりなり,目標とする遺伝子にDNAの相補性により特異的に結合する)を用い,PCR(Polymerase Chain Reaetion)法にて,予想される発癌遺伝子の変異の部位を検索する方法を確立した。PCR法は2段階法を用い,プライマ-はFlanking primarとして12,Seguencing primerとして6つを用いた。 2.肝細胞癌,肝内胆管癌,胆のう癌,総胆管癌および膵癌における,NーRas,HーRas,KーRasのユドン12,13,61の変異の頻度をPCR法と直接塩基配列決定法により検索した。膵癌では18例全例で変異が認められた。又他の膵疾患(慢性膵欠,Insulinama);正常膵では変異は認められなかった。総胆管癌では12例中1例に変異が認められた。胆のう癌では11例全例変異は認められなかった。肝細胞癌でも変異の頻度は非常に少かった。
|