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1993 年度 実績報告書

CO_2レーザー光線を用いた温痛覚異常の生理学的検索

研究課題

研究課題/領域番号 03807049
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

柿木 隆介  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10145196)

キーワードCO_2レーザー / 温度覚 / 痛覚 / 誘発電位 / 脳波
研究概要

体性感覚誘発電位(SEP)は従来より電気刺激により記録されているが、より自然に近い刺激、各種感覚別の刺激方法の開発が進められている。特に、電気刺激では検索因難な温痛覚に関与する小徑線維-脊髄視床路を上行するSEPの記録方法の開発が急務である。我々はCO_2 laser光線を利用して痛覚SEPを記録している。平成5年度は主として痛覚認知機構におよぼす各種干渉刺激(運動、振動覚など)の作用機序について検索した。laser刺激と同部位に与えられた振動覚、運動など大徑線維を上行する干渉刺激では、痛覚SEPは著明に振幅減少し除痛がおこる。これはGate control theoty(Melzack&Wall)に一致した所見であった。またlaser刺激部位以外の手足の自発および他動運動でも、痛覚SEPの有意な振幅減少がおこる。振動覚ではこのようなことはおこらないため、大脳半球における運動に関連する特殊な反応が痛覚SEPに影響をおよぼしているものと考えられる。
痛覚SEPの臨床応用も継続して行ってきた。末梢神経障害患者では、痛覚障害の程度および小徑線維密度の低下と痛覚SEPの所見が高い相関関係を示した。脊髄症患者では、やはり痛覚障害の程度と痛覚SEPの所見が高い相関関係を示し、さらに潜在性異常の検出も可能であった。
私は1993年3月より、佐賀医科大学内科より岡崎国立共同研究機構生理学研究所 統合生理研究施設に転任した。現在は未だセットアップの段階であるが、これまでの脳波による分析に加え、当研究施設に設置されている脳磁気測定装置(MEG,SQUID)を用いて、さらに研究を進めて行きたいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kakigi,R.et al.: "Effects of movement-related cortical activities on pain-related somatosensory evoked potentials." Acta Neurologica Scandinavica. 88. 376-380 (1993)

  • [文献書誌] Kakigi,R.et al.: "Pattern-reversal visual evoked potentials in DOwn's syndrome." Acta Neurologica Scandinavica. 87. 410-415 (1993)

  • [文献書誌] Kakigi,R.et al.: "Scalp topography of somatosensory evoked potentials following median and posterior tibial nerve" Brain Topography. 5. 253-261 (1993)

  • [文献書誌] 柿木隆介: "ダウン症候群の誘発電位〔1〕短潜時体性感覚誘発電位" 臨床脳波. 35. 684-687 (1993)

  • [文献書誌] 柿木隆介: "ダウン症候群の誘発電位〔2〕中潜時体性感覚誘発電位" 臨床脳波. 35. 818-822 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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