研究概要 |
1.L3細胞の培養;オリゴデンドロサイト前駆細胞株L3の安定した培養系を確立し,限界希釈法によりクロ-ン化することに成功した(未公表)。 2.L3細胞とT細胞の相互作用;活性化T細胞の増殖がL3細胞との混合培養にて増強されることを示した(J.Neurosu.Res.印刷中)。細胞の直接接触が重要で,細胞接着因子の関与が推定されるに至った。 3.L3細胞の表面抗原解析;Flow cytometryによりL3細胞の表面抗原を解析し,モノクロ-ナル抗体のcharacterizationを容易にする系を確立した。この系を用い,L3細胞は04陽性,HNKー1陽性,A2B5陽性で,しかもGC陽性の成熟オリゴに分化する能力を保持していることを明らかにした(Stanford Centennial Symposiumで発表)。 4.L3細胞の分化;L3細胞は無処理プラスチックの上では,10%FCS存在下でも成熟したオリゴに分化すること,塩基性FGFはこの分化を阻害することを初めて示した(第3回国際神経免疫学会,エルサレムで発表)。 5.L3細胞の移植実験:L3細胞が本当に0ー2A系列細胞であることを証明するために,Lewisラットの脳内に移植した。移植された細胞は腫瘍を形成することなく,GC陽性,MBP陽性の成熟オリゴに分化した。(44th Annual Meeting,American Academy of Neurology,San Diegoで口演予定)。 6.抗L3モノクロ-ナル抗体の作製;Balb/cマウスを免疫し,いくつかのクロ-ンを得た。
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