研究課題/領域番号 |
03807069
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
仙波 純一 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30183429)
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研究分担者 |
融 道男 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20013972)
渡辺 明子 東京医科歯科大学, 医学部, 技官 (40210992)
南海 昌博 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20218069)
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キーワード | MRS / 躁うつ病 / セロトニン / ストレス / 血小板 |
研究概要 |
これまでのうつ病者、自殺者死後脳の研究やうつ病者血小板、神経内分泌学的研究からセロトニン2受容体の過感受性が指摘されている。本研究の目的は、MRSを用いてin vivoでのうつ病者セロトニン2受容体の機能を測定することにあるが、現時点ではまだ脳内の ^<31>Pのスペクトラムを得られていないため、本年度はセロトニン系神経の末梢モデルである血小板を用いた臨床研究とストレスのセロトニン2受容体への影響を動物実験により行った。臨床研究では、うつ病者16名、健常者21名の血小板を用いて、セロトニン取り込み部位を標識するパロキセチン結合を行った。その結果、健常者においてその最大結合数(Bmax)と年齢との間に負の相関関係が認められたが、うつ病者と健常者ではその最大結合数や解離定数(Kd)には差異は認められなかった。また、うつ病者2名及び健常者4名の血小板を用いて、セロトニン刺激による細胞内カルシウム流入を蛍光指示薬furaー2を用いて測定しているが、更に症例数を畜積し、また同時に血小板のセロトニン2受容体結合実験を今後行う予定である。動物実験の結果は、急性拘束ストレスによりケタンセリンを指標としたセロトニン2受容体の最大結合数、解離定数には変化がみられなかったが、セロトニン2作働薬であるDOIによる首振り運動は減少していた。以上の結果から、急性ストレスは受容体レベルでは変化を与えないが、その機能を低下させる可能性が示唆された。また、この所見は抗不安薬であるジアゼパンの前投与により回復することから、心理的ストレスによるものと考えられた。
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