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1992 年度 実績報告書

精神分裂病の病態形成におけるインターロイキン6の関与についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 03807071
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

八木 剛平  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (10191082)

研究分担者 神庭 重信  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50195187)
キーワード精神分裂病 / インターロイキン 6 / インターロイキン 1 / ドーパミン / ノルエピネフリン / セロトニン
研究概要

本研究は精神分裂病の病因を解明することを目的とするが,特に病因として自己免疫疾患的要因を仮定し,その検証を試みるものである。研究対象として,インターロイキン6を対象とした。インターロイキン6はインターロイキン1などとともに炎症のメディエイターとして研究されている。また,慢性関節リマウチなどの自己免疫疾患で産生が増加することが知られており,自己免疫疾患の要因としても注目されている。
我々は,90人の精神分裂病患者の血中インターロイキン6のレベルを調べ,そのうち約10%の患者でその値が上昇していることを見いだした。対照として90人の健康人について血中インターロイキン6のレベルを調べたが,両群間に統計学的な有意差がみられた(p<0.05)。血中インターロイキン6のレベルの異常と,精神分裂病の治療薬(量および種類),罹病期間,類型との関連性はみられなかった。これらの結果はLife Science 49:661-664,1991に報告した。またインターロイキンの中枢神経機能の修飾作用を調べた。ラット前視床下部にインターロイキン1βを注入し(1ng),同部位で回収されたモノアミンレベルを測定した。その結果,インターロイキン1βは同部位において,ノルエピネフリン,ドーパミン,セロトニンの放出を促進することがわかった。しかもこの作用は,従来言われてきたプロスタグランディン生産を介さずに起こるものであることが判明した。今後はさらに細かくこのインターロイキンの中枢薬理作用機序を調べていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 新谷 太: "精神分裂病患者の血清インターロイキン6(IL-6)濃度" 神経化学. 34. 235-236 (1991)

  • [文献書誌] 新谷 太: "精神分裂病者の血清インターロイキン6(IL-6)濃度:ELISAによるIL-6の測定" 脳と精神の医学. 2. 747-750 (1991)

  • [文献書誌] Shintani,F.: "Serum interleukin-6(IL-6) in schizopherenic patients:establishment of IL-6 measurement with ELISA" Life Sciences. 49. 661-664 (1991)

  • [文献書誌] 新谷 太: "精神神経免疫学:内因性精神病の免疫学的研究をめぐって" 脳と精神の医学. 3. 73-80 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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