研究課題/領域番号 |
03807075
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
永田 松夫 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50231486)
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研究分担者 |
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
中島 一彰 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
浅野 武秀 千葉大学, 医学部, 講師 (80143311)
落合 武徳 千葉大学, 医学部, 助教授 (80114255)
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キーワード | 小腸移植 / 同種生体移植 / FK506 / RS61443 / サイクロスポリン / 移植小腸機能 |
研究概要 |
新しい免疫抑制剤の開発により、移植成績が飛躍的に向上し、これまでむずかしいとされてきた小腸移植も可能性あるものとして見直されてきた。我々は今回、短腸症候群に対する生体からの小腸移植を想定し、実験を行った。まずレシーピエントのビーグル犬の小腸を亜全摘し、ドナーの雑種成犬より犠死させない長さとして回腸の60-70cmを採取して同所性に移植した。移植腸管の一部は腹壁に固定し、盲端の外瘻として移植後経時的に生検を行い、組織学的に拒絶反応について検討した。移植を全く行わなかった短腸犬は栄養障害のために平均37日で死亡した(n=3)。小腸移植後免疫抑制剤を全く使わないコントロール群は組織学的に強い拒絶反応の像を伴い、9日以内に死亡した(n=6)。移植後にCyclosporine(CsA)10mg/kgとFK506(FK)0.05mg/kgを併用投与した群の平均生着日数は28日であったが(n=5)、組織学的には中等度から高度の拒絶反応の像を示し、また著明な体重減少が見られた。T細胞、B細胞系ともに抑制するRS61443(RS)20mg/kg単独投与の生着日数は16日と軽度の生着延長のみであった。それに対し、CsA5mg/kg,FK0.05mg/kg,RS20mg/kg/dayの併用投与においては平均43日と生着の延長が得られ(n=4)、組織学的にも拒絶反応は軽度であった。また、移植後の体重も十分保たれていた。移植後3週目に、バリウム、バリウムシリコンによる経時的な小腸の運動機能、マルトース経口負荷試験、脂肪吸収試験を行い、移植腸管の運動、吸収能が確認された。このモデルにおいては、組織学的に明らかなGVHDは見られなかった。以上の結果より、免疫抑制剤の投与方法の工夫により、機能を十分に保った小腸移植の生着延長が得られることが示され、小腸移植の臨床応用に向かい1知見が得られた。今後更に、接着因子に対するモノクローナル抗体のin vivo投与など、作用機序の異なる免疫抑制の併用により更に効果的な免疫抑制法が望まれる。
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