研究課題/領域番号 |
03807086
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
伊藤 泰雄 杏林大学, 医学部小児外科, 教授 (80110881)
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研究分担者 |
薩摩林 恭子 杏林大学, 医学部小児外科, 助手
韮澤 融司 杏林大学, 医学部小児外科, 助教授 (60129591)
八木田 旭邦 杏林大学, 医学部第1外科, 講師 (30137955)
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キーワード | HLA / 主要組織適合抗原系 / 消化管奇形 / 遺伝 |
研究概要 |
平成3年度の研究により、鎖肛や胆道閉鎖症が主要組織適合抗原系(HLA)と関連することが認められた。そこで本年度はヒルシュスプルング病や肥厚性幽門狭窄症患者についてHLA検査を行った。 方法:ヒルシュスプルング病と肥厚性幽門狭窄症の患者よりヘパソン採血10mlを行い、T cellとB cellを分離した後、補体とHLA抗体を加えてリンパ球細胞毒試験を行った。T cellはHLA-A、-B、-C抗原の検査に、B cellはHLA-DR、-DQ抗原の検査に用いた。結果は日本人健常者310名のHLA発現頻度と比較した。 結果: 1.ヒルシュスプルング病: 同胞発症1家系で共通のハプロタイプを認めたが、遺伝性のない27例ではHLAとの関連は全く認められなかった。 2.肥厚性幽門狭窄症: 遺伝性のない16例ではA24の発現頻度が13例(81.2%,対照58.7%)と高かったが、統計的有意差は認められなかった。 遺伝性の認められないヒルシュスプルング病ではHLAとの関連は認められず、肥厚性幽門狭窄症ではA24が高頻度であったが、症例数が少ないため未だ結論は出せなかった。来年度は、それぞれの症例数を増やす一方、対象疾患も食道閉鎖症、小腸閉鎖症、腸回転異常症にまで広げ検討したい。
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