研究課題/領域番号 |
03807092
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木矢 克造 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (70136042)
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研究分担者 |
栗栖 薫 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (70201473)
川本 恵一 広島大学, 医学部, 助手 (10192006)
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キーワード | 脳膜腫 / 脳腫瘍 / 内分泌療法 / MTT assay / Mifepristone / Onapristone / progesterone receptor |
研究概要 |
当初予定していたヒト悪性脳膜腫株については、progesカerone receptorがABC法による免疫組織学的検査で証明されなかったので、脳膜細胞は臨床材料を用いることに変更した。また、新規抗progesterone剤としてはMifepristoneとOnapristoneを用い、脳膜細胞に対する抗腫瘍効果をin vitroで検索することから着手した。実験方法は、まず手術により得られた脳膜細胞をABC法による免疫組織検査でprogesterone receptorの検索を行なった。同時にこの脳膜細胞1x10^5コをmicroplate内で初代培養し、3日後にMifepristoneとOnapristoneの各々10^<-10>、10^<-8>、10^<-6>Mの各濃度処理を行ない、さらに3、6、9日後にMTT assayにて、抗腫瘍効果を判定した。また、未処理のものを対照として用い、処理群の吸光度が50%以下のものを感受性陽性とした。現在これらの検索が達成出来た臨床材料は4例である。progesterone receptorは4例中1例に認められた。MTT assayの至適条件設定としては、Mifepristoneは10^<-8>M、Onapristoneは10^<-6>Mが最も抗腫瘍効果が強くみられ、両者とも処理後6日目が判定に適していた。progesterone receptorと抗progesterone剤による抗腫瘍効果の関係では、receptor陽性の1例はMifepristoneとOnapristoneのいずれにも陽性を示さなかった。receptor陰性3例のうち、Mifepristoneは2例、Onapristoneは3例に感受性陽性を示した。OnapristoneはMifepristoneに比べ抗腫瘍効が強い傾向にあった。現在のところ、抗progesterone剤は必ずしもprogesterone receptorを介した作用だけではないことが判明したが、今後これらの抗progesterone剤が脳膜腫に有効と成りえるかの検討を進めていきたい。
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