研究課題/領域番号 |
03807095
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
西岡 淳一 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (80115766)
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研究分担者 |
斉藤 潤 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50225710)
井上 康二 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80213156)
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キーワード | 関節破壊誘導因子 / 慢性関節リウマチ / 滑膜炎 / 関節軟骨の破壊 |
研究概要 |
【目的と方法】関節離新の元になる関節破壊に関連すると考えられているIgEレセプタ-の組織局存性を各種の関節疾患の各種の組織について調べるために、手術時に得られる種々の組織のうちまず最初に滑膜組織から調査を開始した。対象疾患は慢性関節リウマチを中心に変形性関節症、外傷性関節炎とし、これから滑膜組織を採取した。各組織は採取後直ちに固定し冷凍組織切片を作成の後、抗IgEーBFモノクロ-ナル抗体を用いた酵素抗体法によってこの関質の組織局を光学顕微鏡で調べた。 【これれまでの研究実績】強度に破壊された関節を持つ慢性関節リウマチの患者の滑膜では多層の滑膜細胞が並んでいるが、このうち表層および数層深い層の単核細胞にIgEレセプタ-を多く有する細胞が密に集積し、IgEを受容する態勢にある。関節破壊度の高くない患者の滑膜にはIgEレセプタ-を有する細胞数は少なく、細胞内で染色される領域の密度も高くない。一方、ストロ-ムライシンはコラ-ゲンやゼラチンの分解作用を有し関節軟骨を強度に破壊するので、関節離断症例に多く認められているが、IgEレセプタ-の存在する細胞群と同じグル-プに染色されている。IgEレセプタ-と他の酵素との同一組織内での染色法は現在技術的に解決していないので断定できないが、IgEレセプタ-とストロ-ムライシンの活動の場は両者に共通していると推測させ、さらにIgEレセプタ-の関節破壊の誘導性をも示唆する。 【今後の見通しと方針】これまでIgEレセプタ-の存在部位を関節滑膜を対象として調べてきたが、技術的に困難さを伴う軟骨や骨組織での組織局在性を調べる予定である。またIgEとストロ-ムライシンの関係については動物実験によってこれらを確認する必要があるがモノクロ-ナル抗体の特異性の面から現在はまだ成功していない。今後種々の種類の精製抗体を使用することによって確認して行く予定である。
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