研究概要 |
軟骨細胞は、関節機能にとって中心的な存在であり、整形外科領域においても、重要な位置を占める。成長を含め軟骨細胞は各種ビタミン、ホルモン、サイトカインの影響を受ける。我々は現在まで軟骨型分化機能の発現を検索するため、初期にはウサギ肋軟骨より静止、成長細胞をそれぞれ分離し各種Factorの影響を検索してきた。更にそれを基本として、整形外科に於ける変形性関節症(OA)ならびに慢性関節リウマチ(RA)等の、病態を解明してきた。ヒト、サイトカインの影響を、調べる場合、ウサギならびにラット等の異種軟骨細胞では反応が修飾を受け結果が全く事がある。我々は分化機能を維持しつつ永久分裂能を有した軟骨細胞株の樹立に成功し、また無血清培地に於ける、継代も可能となった。更にRAに対するAdjuvant Arthritis,OAにたいして非侵襲性OA誘発モデル、又、骨折治癒モデルとして創外固定器を用いた骨欠損モデルを作成した。 今後は、細胞レベルの検索として、RAに関して、この細胞株を基盤にRAに於ける軟骨細胞膜蛋白に対する抗体の検出、更に病態との関連、RA血中Factorによる細胞外基質の破壊のバイオアッセイ系の確立(ウサギ軟骨細胞培養系では、確立した)また骨欠損モデルに於ける軟骨より骨細胞への分化機転を解明(bFGFによる骨折治癒機転の解明は行い、血管増生と共に間葉系の増殖分化は確認している)一方関節症モデルとして非侵襲性の変形性関節症モデルの確立に成功しているが初期OAの細胞生物学的検知より培養細胞の結果を元により詳細な検索を行う方針である。
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