研究課題/領域番号 |
03807107
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小池 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (70225340)
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研究分担者 |
廣田 憲二 大阪大学, 医学部, 講師 (00189888)
池上 博雅 大阪大学, 医学部, 助手 (10184409)
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キーワード | TNF-α / カルシウム / プロラクチン / パラクライン / インターロイキン6 |
研究概要 |
これまでの研究成果にてTNFは視床下部のインターロイキン6の産生を高めることから性周期のフィードバック機構に関与している可能性が示唆された。今年度は主としてTNFの下垂体への作用について検討を加えた。既に、予備実験にてTNFが下垂体に作用してゴナドトロピンやプロラクチン分泌を促進する成績を得ているので更にその詳細に渡る検討を加えた。その結果、TNFは下垂体のインターロイキン6産生を高めること、ゴナドトロピン分泌においてはその生物活性及び免疫活性には影響を与えないこと、またTNFのプロラクチンの分泌刺激には細胞外カルシウムが必要なこと等がわかった。そこでジギタルイメージングマイクロスコーピックシステムを用いてTNFの下垂体細胞に及ぼす細胞内のカルシウムの動態について検討を加えた。その結果、TNFにより細胞内のカルシウムが上昇を示す細胞はGnRH、GHRH、TRH、CRH等の視床下部刺激ホルモンのどのホルモンにも反応を示さないホルモン非分泌細胞、folliculo-stellate cell(FS細胞)である可能性が示唆された。 以上のことから、TNFの下垂体ホルモン分泌刺激はホルモン分泌細胞への直接作用ではなくホルモン非分泌細胞、おそらくFS細胞に作用してパラクライン的に下垂体ホルモン分泌を調節している可能性が示唆された。また、TNFが下垂体のインターロイキン6産生を高めること、インターロイキン6がゴナドトロピンやプロラクチン分泌を促進することなどからインターロイキン6がパラクライン因子として作用している可能性が示唆された。
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