研究課題/領域番号 |
03807113
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
暁 清文 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (00108383)
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研究分担者 |
兵頭 政光 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (00181123)
小澤 哲夫 愛媛大学, 医学部, 助手 (70153525)
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キーワード | 内耳インピ-ダンス / 圧電セラミック / 振動プロ-ブ / アブミ骨可動性 |
研究概要 |
圧電セラミック振動子を利用して内耳インピ-ダンス測定装置を試作するとともに、これを用いて屍体側頭骨の内耳入口部のインピ-ダンスを測定した。 測定プロ-ブの作成には圧電素子を2枚使用した。固定端では2枚の素子が互いに当たらぬよう支持軸に接着したが、自由端では先端部が接触するよう工夫した。一方の素子はアブミ骨駆動用であり、他方はプロ-ブ先端の振動ピックアップ用である。プロ-ブへの入力電圧の負荷ならびに出力信号の解析にはFFTアナライザを用い、入力信号をレファレンスとした時の出力信号の振幅差や位相差を求めた。プロ-ブをアブミ骨に当てると、内耳インピ-ダンスの大きさに応じて出力信号に変化がおこることから、計算式により内耳インピ-ダンス値を求めることができる。このシステムは、あらかじめ変位計ならびにインピ-ダンスが既知のおもりを用いて校正 しておいた。 実験には3個の中耳病変のない屍体側頭骨を用いた。これらは採取後、冷凍保存しておいたものである。側頭骨は固定器に保持した後、外耳道や乳突洞・蜂巣を削開して中耳腔を開放し、鼓膜やツチ骨、キヌタ骨を除去した。ついでプロ-ブをアブミ骨上に当て、これに刺激電圧を負荷した。今回の実験ではS/Nを考慮し、刺激電圧は20Vrmsとした。 その結果、人における内耳入口部のインピ-ダンスは1kHzで1〜10MΩ、2kHzで5〜50MΩ、4kHzで10〜100MΩと、高音になるにつれてインピ-ダンスは増加した。この結果を従来の報告と比べると、Bekesyや恩地らは2kHzで1MΩとしているので、多少大きな値であったが、これは標本の死後変化が強く、インピ-ダンスも大きかったためと思われる。
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