研究課題/領域番号 |
03807127
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山崎 和久 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (00182478)
|
研究分担者 |
安部 恒 新潟大学, 歯学部, 助手 (40202676)
|
キーワード | 歯周炎 / 歯肉炎 / メモリーT細胞 / 活性化B細胞 / IL-4 / LFA-1 / ICAM-1 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
歯周炎病巣はB細胞、形質細胞の優勢な浸潤で特徴づけられ、組織破壊と密接に関係していると考えられている。歯周炎におけるB細胞活性化のメカニズムを検索する目的でB細胞活性化サイトカインの1つであるインターリューキン(IL)-4を産生している細胞、及び活性化に必須な過程である細胞接着に関わる接着因子、LFA-1、ICAM-1の発現を免疫組織化学的手法を用いて分析した。 前年度にすでに報告しているように、結合組織付着の破壊、歯槽骨吸収を伴う病変である歯周炎、それらを伴わない歯肉炎とも浸潤細胞中のT細胞はCD45RO抗原を発現しているメモリーT細胞が主体であるが、IL-4を産生しているメモリーT細胞の割合は歯肉炎組織で0.36±0、15%、歯周炎組織で7.29±1.81%であり、歯周炎組織中において有意に高いことが示された。一方接着分子に関してはメモリーT細胞の分布に一致してLFA-1陽性の細胞が認められた。LFA-1分子のリガンドであるICAM-1は血管内皮細胞とポケット上皮の一部に発現されていたが、同時に一部のB細胞においてもICAM-1の発現が高まっていることが示された。このことは抗原提示細胞ととしてのB細胞とT細胞の接着分子を介した結合により活性化されたT細胞からIL-4が産生されていることを意味する。B細胞はIL-4により活性化されるとDC23抗原を発現するようになるが、歯周炎病巣部でのB細胞のCD23発現は非常に多様であった。同じ歯周炎の組織であってもIL-4産生細胞の割合、CD23陽性B細胞の割合は多様性に富んでおり、歯周炎が悪化と緩解をくり返しながら進行することも考えると、臨床指標では検出できないような病態の変化を反映していると思われる。
|