研究課題/領域番号 |
03807135
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
山下 敏康 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90221655)
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研究分担者 |
荒尾 宗孝 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (90175183)
中山 和久 愛知学院大学, 歯学部, 構師 (10175507)
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キーワード | 寒冷血管拡張現象 / 下唇知覚痺 / サ-モグラフティ |
研究概要 |
下唇知覚麻痺検査に寒冷血管拡張検査を応用し、再現性の高い検査法を確立する目的で本研究を行った。本年度は、冷却刺激装置の開発を行った。冷却刺激装置は、矯正治療に使用されるチンキャップを応用して作製した。ボランティアより採取したオトガイ部の顔面印象より、オトガイ形態を大、中、小に分類し、それぞれの代表的にものによって5mmのワックスペ-サ-をおき歯科用オストロン即時重合レジンによってチンキャップを作成した。このチンキャップを三金工業株式会社製シンプルリトラクタ-とセットし、ポランティアに装置した。顎関部方向の牽引力を400〜450gに設定し、オトガイ〜チンキャップ間に冷却剤を挿入した。冷却時間は30秒とし、サ-モグラフティ-にて、冷却温度、冷却範囲、温度上昇過程を記録した。サ-モグラフィ-の設定は1.8℃間隔とし、10℃〜38℃のレンジで記録を行った。使用した冷却剤は、0℃の水、クラッシュアイス、パウダ-アイスを氷嚢中に填塞して行った。しかし、これらの冷却刺激では、冷却力不足、均一な冷却範囲が得られなかった。そこで、オカモト株形会社製ラテックスゴム中に白元株式会社製アイスノンソフトベルト用保冷剤を填塞して行った。填塞量は65ml、85mlの2種類を用意し、0℃に冷却した。これを用い、下唇知覚麻痺を認めないボランティアに対して冷却刺激を行った結果、65ml、85mlともにほぼ均一な19℃までの冷却が可能であった。特に65mlについては、冷却範囲と検査範囲がほぼ一致した結果が得られた。しかし、85mlについては冷却範囲が広すぎ、またやや均一性に欠れていた。この研究により作製したチンキャップ型冷却刺激装置に65mlの保冷剤を付加したものを冷却剤激装置とする事が最も適切な冷却刺激が可能であることが明らかとなった。次年度より本刺激装置を用いて、下唇知覚麻痺患者に対する寒冷血管拡張検査を行ってゆく予定である。
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