研究課題/領域番号 |
03807138
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
村越 勇 千葉大学, 薬学部, 教授 (30009162)
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研究分担者 |
山崎 真巳 千葉大学, 薬学部, 教務職員 (70222370)
斉藤 和季 千葉大学, 薬学部, 講師 (00146705)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | トランスジェニック植物 / 二次代謝 / 除草剤耐性 / 導入形質の遺伝 / 分子育種 |
研究概要 |
【目的】除草剤Phosphinothricin(PPT)を不活化するPPTacetyltransferaseをコードする遺伝子barをRiバイナリーベクター系によりパラグアイ産の薬用植物Scoparia dulcis(Scrophulariaceae)に導入することによって除草剤耐性植物を作出し、さらに自殖後代への導入形質の伝達を確認した。 【方法・結果】CaMV35Sプロモーター下に置かれたbarを含むミニTiプラスミドpARK5と野生型のRiプラスミドpRi15834を同時に含むAgrobacteriumをS.dulcisの無菌幼植物の茎に針を用いて接種した。直接部位に生じた毛状根を、植物体内で分解を受けてPPTを生じる除草剤Bialaphosを含むB5培地で培養し、耐性クローンを選抜した。さらに除草剤耐性を示した毛状根より再生植物体を得た。これらの再生植物体の全DNAのサザンハイブリダイゼーションによりpARK5,pRi15834のT-DNAの植物ゲノムDNAへの導入を確認した。また、PPT acetyltrans-ferase活性の測定により、形質転換体におけるbarの発現を明らかにした。また、これらの形質転換体はBialaphosの製剤およびPhosphonothricin製剤であるHerbiace^<TM>およびBasta^<TM>の希釈液の塗布に対して耐性を示した。さらに形質転換体の自殖第一代における導入形質の発現を確認した。 【考察】Agrobacteriumを介したRiバイナリーベクター/個体再生系による外来遺伝子導入によって、S.dulcisに除草剤耐性形質を付与することに成功し、導入形質が後代に安定に伝達されることが明らかになった。このことからこの系が薬用植物の分子育種のための有力な手段であることが示された。
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