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1991 年度 実績報告書

安定同位体を用いるヒスチジンアンモニア・リア-ゼ酵素反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 03807143
研究機関東京薬科大学

研究代表者

古田 隆  東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (70120152)

研究分担者 柴崎 浩美  東京薬科大学, 薬学部, 助手 (20206121)
粕谷 泰次  東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90096686)
キーワードLーhistidine / urocanic acid / histidine ammoniaーlyase / 脱離反応 / 酵素反応機構 / 律速段階 / 安定同位体 / 同位体効果
研究概要

ヒスチジンの側鎖3位あるいはイミダゾ-ル環5^1位を重水素標識した2種類のLー[3,3ー ^2H_2]histidineおよびLー[5^1ー ^2H]histidineを合成し、C_3ーHあるいはC_<5'>ーH結合開裂における速度論的重水素同位体効果を指標に、histidine ammoniaーlyase(ヒスチダ-ゼ)によるアミノ基脱離反応の律速段階とそのpH依存性について検討した。
本酵素反応におけるウロカニン酸生成初速度は紫外部吸光光度法によって測定し、反応速度はMichaelisーMenten式を用いて解析した。至適pH条件下(pH9.0)におけるLー[3,3ー ^2H_2]histidineのヒスチダ-ゼ酵素反応では、 ^DV=1.25であり、25%の同位体効果を示した。またpH8.0では、pH7.0ー10.5の範囲内で最大の同位体効果(38%)を示した。pKa=9.48以上のpH領域での同位体効果値は9.0ー0%の範囲であった。pH10.3におけるVmax値(4.3nmol/min)はpH8.0とほぼ同程度であったが、両pH間の同位体効果値には約30%の違いが認められた。pKa=9.48以上のpH領域では、酵素ー基質複合体の形成過程が律速段階として寄与することによって、C_3ーH結合開裂過程における重水素同位体効果が相対的に減少したものと考えられる。
本研究では、ヒスチダ-ゼ酵素反応における同位体効果( ^DV)は、pHに依存して変化していること、また、C_3ーH結合開裂過程の律速段階としての寄与は、pH8ー9付近で最大となることを明らかにした。一方、Lー[5^1ー ^2H]histidineを基質とし、pH7.0ー9.0の条件下でヒスチダ-ゼ酵素反応を行った結果、いずれのpHにおいても重水素同位体効果は認められず、カルバニオンの生成によるC_<5'>ーH結合開裂は律速段階として寄与していないことが明らかとなった。(約700字)

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takashi Furuta: "Simultaneous determination of stable isotopically labelled Lーhistidine and urocanic acid in human plasma by stable isotope dilution mass spectrometry" J.Chromatogr.(1992)

  • [文献書誌] Takashi Furuta: "Preparation of multiーlabelled urocanic acids with ^2H, ^<13>Cand ^<15>N" J.Labelled Compd.Radiopham.(1992)

  • [文献書誌] Takashi Furuta: "Reversible stepwise mechanism involving a carbanion intermediate in the elimination of ammonia from Lーhistidine catalyzed by histidine ammoniaーlyase" J.Biol.Chem.

  • [文献書誌] TakashiーFuruta: "Synthesis of selectively multiーlabelled histidines with stable isotopes and chiral synthesis of Lーhistidine from Lーaspartic acid" J.Chem.Soc.Perkin Trans.1.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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