研究課題/領域番号 |
03808005
|
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
有田 清三郎 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098601)
|
研究分担者 |
藤岡 知昭 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (80173409)
斎藤 泰一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00048258)
|
キーワード | ファジィ理論 / 超音波画像 / コンピュ-タ診断 / 癌診断 / 診断支援システム / ファジィ情報 / 医療情報 / 医学教育 |
研究概要 |
超音波画像やCT等の医用画像は、医療の診断に欠かせない重要な役割を果たしているが、その診断過程では、画像所見の評価や診断ロジックに介在する検者の主観性が診断に大きなゆらぎを与え、診断結果を不確かなものにしている。本研究では超音波画像による癌診断をその研究対象として、本研究の目的は 1)画像診断に内在する主観的評価とファジィ性を解明し、2)フィジィ理論を使って、超音波画像所見による癌診断ロジックを構築し、3)この診断ロジックを搭載した癌診断装置をパ-ソナルコンピュ-タによって具現化することであった。 1)では、各画像所見項目における評価基準を設定し、従来の有無の2値入力ではなく、0から1までの連続尺度を持ったファジィスケ-ルを導入し、2)では、各項目の個別評価の和集合としての総合判定のほかに、2項目、3項目の相乗効果を加味した診断ロジック等、種々の診断システムを考案し、3)では、パ-ソナルコンピュ-タによって入力部門、推論部門、出力部門を統合化した診断システムを作製した。 本年度は、画像診断に内在する主観的評価とファジィ性を研究し、その研究成果をファジィ学会誌特集号解説に発表した。また、ファジィ理論を使った超音波診断ロジックの構成法について研究し、ファジィ理論を用いた項目間の相互作用による新しい診断システムを考案した。これはファジィ理論方式による従来の「うすめ効果」を防止し、診断精度を一層高めることができる。この研究成果を国際ファジィ学会(ベルギ-、ブリュッセル)のデモンストレ-ション及びファジィ学会特集号での論文で発表した。画像診断ロジックの構成法と観察項目の選定についての数理的な研究活動はなお進展中である。
|