ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびスチレンアクリルコポリマー(SAN)のシリコンウエハ基板上薄膜試料の光干渉による呈色効果を検討するため、照射/受光条件(D/S)にて分光反射率を測定した。 試料の分光反射率曲線は可視域(400〜700nm)に極値をもち、その極大値は基板の分光反射率曲線に接する。また、極値出現の波長周期は膜厚増加に伴い小さくなる。 実験分光反射率曲線に関し、薄膜反射式:R(λ)=B^2+C^2+2BCcos((4πnd/λ)+η(λ))の適合性を調べた。極値データから決めたB:膜上反射係数とC:膜/基板境界反射係数の値を用いて各試料の分光反射率を試算した。算出値は実験値に対し曲線ピーク位置と波形の傾向を一致させることができた。また、実験値に基づいて決めた膜厚dおよび屈折率nの試料間の相対的関係もそれぞれ妥当なものとなった。 しかし、分光反射率曲線の末端部、特に短波長域において実験値からの若干の偏りが見出された。このため、C値に替えて基板の反射率データから決めたC(λ)値を用い、さらにη:無彩色遅延の最適値を詳細に検討した結果、一層良好な適合性を得た。
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