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1991 年度 実績報告書

核融合炉トリチウム増殖候補材料の高温還元雰囲気下での蒸発挙動

研究課題

研究課題/領域番号 03808027
研究機関京都大学

研究代表者

淺野 満  京都大学, 原子エネルギー研究所, 助教授 (80027127)

研究分担者 水谷 保男  京都大学, 原子エネルギー研究所, 助手 (70027134)
原田 敏夫  京都大学, 原子エネルギー研究所, 助手 (50027132)
キーワード核融合炉 / トリチウム増殖候補材料 / 高温 / 還元雰囲気 / 蒸発挙動 / 質量分析法 / 生成エンタルピ- / グラファイト
研究概要

核融合炉のトリチウム増殖材料から、トリチウムの回収応答性を改善する目的で、グラファイトとの混合系にすることによって還元雰囲気とし、生成トリチウムの化学形をT_2OからT_2ガスにシフトさせることによって、脱着を容易にして回収効率を高めようとこの研究を推進した。先ずはその基礎研究として、クヌ-セン流出ー質量分析法によって、種々のリチウム化合物の高温で平衡にある蒸発種を含めた気相ガス種を明かにし、また高温での化学的安定性を熱力学の面から研究した。得られた研究成果は次のようである。
1.Li_2ZrO_3(s)は広い温度範囲について蒸発種を検索した処、従来知られていたLi(g)に加え、Li_2O(g),LiO(g)Li_3O(g)とO_2(g)が蒸発することが分かった。Li_2O(g)が測定できたことにより、Li_2ZrO_3(s)中のLi_2O成分の活量が求まる。この値を他の三元系リチウム化合物と比較するとLi_2SiO_3、LiA10_2についで高温で安定であることが分かった。
2.Li_2SnO_3(s)では、構成酸化物のLi_2O(s)とSnO_2(s)からの生成エンタルピ-が周期律表で同じIVーbグル-プに属するLi_2SiO_3(s)より大きいこと、即ち原子番号が大きくなる程上記生成エンタルピ-が大きくなることを見いだしたが、IVーaグル-プのLi_2TiO_3(s)とLi_2ZrO_3(s)では、逆に原子番号の大きいLi_2ZrO_3(s)の方が小さいという興味ある結果を得た。
3.LiーZrーO系やLiーSnーO系に限らず、一般にLiーMーO(M=Zr,Sn,Ti,Si,Al,Mo)系では、Li含有量の少ない化合物程、Li_2O(s)1分子当りの生成エンタルピ-が大きく、熱力学的に安定であることを明かにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mitsuru Asano: "MassーSpectrometric Study of Vaporization of Li_2Zro_3" Journal of Nuclear Materials.

  • [文献書誌] Mitsuru Asano: "Enthalpy of Formation for Li_2SnO_3 and Comparison with Other LithiumーComtaining Complex Oxides" Journal of Nuclear Materials.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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