研究概要 |
ラット肝ミクロゾ-ムを代表的な脂質過酸化反応系であるEDTA,鉄,NADPHで処理しその系で発生するラジカルをスピントラップ剤4ーPOBNで補足した。生成したラジカルアダクトをHPLC/ESR分析することにより,3種のラジカルアダクトのHPLC/ESRピ-クが得られた。ラット肝ミクロゾ-ムを添加しないときは,そのうちの2種類ピ-クは検出されなかった。ことからその2種類はラット肝ミクロゾ-ム由来のラジカルアダクトであることがわかった。エチルラジカルとペンチルラジカルをエチルヒドラジンとペンチルヒドラジンから合成し,ラット肝ミクロゾ-ム中で検出されたラジカルアダクトとHPLC/ESR分析の保持時間を比較した。その結果ラット肝ミクロゾ-ム中で検出されたラジカルアダクトはエチルラジカルとペンチルラジカルであることがわかった(論文2)。しかしラジカルアダクトの濃度が低いためそれらのマススペクトルの測定は現在のところまだ達成できていない。 ラジカルアダクトは不安定であり,生成したラジカルアダクトはかなり分解してしまうと考えられる。実際フェニルラジカルの4ーPOBN,PBN,MNP,DMPの等のスピントラップ剤とのラジカルアダクトについてHPLC/ESR/MS分析を行った。その結果ラジカルアダクトの酸化型と還元型がかなりの量生成していることがわかった(論文準備中)。現在還元型及び酸化型をラジカル型に変える方法を検討中である。 HPLC/ESR法を用いてトリプトファン代謝産物由来のラジカルの構造決定を行った(論文3)。
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