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1992 年度 研究成果報告書概要

視覚系の前注意的処理モードの特質とその神経生理学的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 03831006
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 認知科学
研究機関信州大学

研究代表者

行場 次朗  信州大学, 人文学部, 助教授 (50142899)

研究期間 (年度) 1991 – 1992
キーワード前注意的処理 / 注意機構 / テクスチャー知覚 / 図地知覚 / 視覚探索 / 視覚的補間 / 大細胞系 / 一過性チャンネル
研究概要

視野内の情報を広い範囲にわたって素早く、注意を伴わずに自動的に処理するモードを前注意的処理とよぶことにする。この過程は、入力情報の大まかな特性を迅速にピックアップし、より高次の認知の成立にとってベースとなる表現をつくる重要なはたらきをしている。
テクスチャー知覚、視覚探索、図地知覚、視覚的補間や複合パターンの知覚などテーマについて分析を行ったところ、以下のような共通する特質を把握することができた。前注意的処理過程は高速であり、しかも一過的で時間周波数の高い応答特性をもっている。空間解像度は低いが、同じ属性をもつ領域を一括して処理する連結特性を強く示す。輝度コントラストには高感度に応答するが、色度には不感性を示す。
このような特質をもつ前注意的処理過程の神経生理学的基礎として注目したのは、Livingstone & Hubelによってその特性が明らかにされた大細胞系である。大細胞系のニューロンの受容野は大きく、応答は速い。しかも、受容野の位置がはなれていても、共通する属性に応答するものは互いに結合関係をもっていることが報告されている。また輝度コントラストに敏感に応答するが、色度コントラストに対する応答は弱い。
注意機構に関する最近のモデルには、WTA(Winner-Take-ALL)回路網や共振的神経応答をベースにしたものがある。このような考え方を大細胞系の活動を中心とした枠組で展開すれば、冗長性の高い情報を抑制し、対象の認知にとって重要な位置と解像度に注意過程を自動的に、効率よく導くことができる可能性が示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 行場次朗: "図と地の知覚:視覚の心理" 電子情報通信学会誌. 74. 315-320 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 行場次朗: "斜め縞の秘密" 数理科学. 350. 78-81 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 行場次朗: "視覚心理学と視覚探索" 数理科学. 352. 70-74 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 行場次朗: "視覚的ファントム現象と大細胞系の特性との関連" 日本心理学会第55回大会発表論文集. 148 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 行場次朗: "視覚的ファントケの方位特性" 日本心理会学第56回大会発表論文集. 516 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 行場次朗: "視覚的補間---隠されたものを見通すはたらきを探る---箱田裕司編「認知科学のフロンティアI」第1章" サイエンス社, 26 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 1994-03-24  

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