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1991 年度 実績報告書

サッケ-ドと注意の制御機構の共通性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 03831008
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

岩崎 祥一  福島県立医科大学, 心理学, 助教授 (90117656)

キーワードspatial atleution / ex press saccade / latency
研究概要

サッケ-ドと注意の制御の関係を調べるため、express saccade現象を利用した。これは、周辺部に呈示された刺激へのサッケ-ドの潜時が、刺激呈示に先だって凝視点が消失した場合(gop条件)に、凝視点がそのまま点灯し続けた場合(overlap条件)と比較して、反応時間が短縮するというものである。もし、注意の制御とサッケ-ドの制御とが深く関係するとすると、gop条件ではサッケ-ドと同様、注意の移動潜時の短縮が見られると予想される。ここで、注意の移動潜時とは、注意の移動を促すcueによりタ-ゲットの処理が促進されるまでの時間を言う。一般に、タ-ゲットの処理への注意の影響を正答率を指標してみる課題(知覚課題)では、注意の移動潜時は約200msec前後であることが知られている。従ってgop条件でこれよりも短かい潜時が得られれば,少なくとも、この点ではサッケ-ドと注意が共通していることを示す証拠となる。
[手続き]実験では、cueが視野の周辺部に呈示されてからタ-ゲットが呈示されるまでの時間(cue lead time)を、50msec,150msec,250msec,350msecの4種類に設定した。タ-ゲットは数字で,その正答率を指標とした。実験条件は、凝視点が手がかりとの呈示200msec前に消失するgop条件と、そのまま点灯しているoverlop条件とがあり,この両者でのcue lead timeのタ-ゲットの知覚に対する影響を調べた。なお,タ-ゲットの知覚に対する影響を制限するためバックワ-ドマスキングを用いた。
[結果]gop条件の方がより短かいcue lead timeでも,cueによるタ-ゲット知覚の影響がみられた。これは、注意の移動潜時の短縮を意味し、仮説(サッケ-ドと注意の共通性)と矛盾しない。ただし、この結果は統計的に有意なレベルに達しておらず,引き続き条件を変えて実験を継続中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岩崎 祥一: "空間への選択的注意の効果" 日本心理学会第55回大会発表論文集. 55. 80 (1991)

  • [文献書誌] 岩崎 祥一: "空間への選択的注意の効果(2)" 日本心理学会第56回大会発表論文集.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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