研究概要 |
研究最終年度である5年度は「階層構造」に着目し、その一例としてデータベースシステムを取り上げ、特にデータベースシステムの核となるデータモデル機能がシステムの核になるとしてそのメカニズムの解析を進めた。 1.システムの階層を考える上でリフレクションの概念を導入した。これによりシステムの簡潔な記述が可能となり、更にシステムの動的変更が容易に行なえるようになった。 2.リフレクションの概念を導入した階層に関して、その実現を試みた。リフレクションを導入する場合は無限の階層を考えるのであるが、無限の階層を実装する事は出来ないため、階層の高さを3としオブジェクト指向としての取り扱いが容易となるようにC++による実現を試みた。 3.これら1,2の結果を総合し、階層構造を考慮した場合のデータモデル機能に必要な要件をまとめた。 データモデル機能に階層構造を考え動的に変更できるという事は、多種多様なデータの取り扱いが要求されるデータベースに対して大変有意義な事であり、ユーザの要求に迅速に答える事が出来るようになる。そして、階層構造を考慮に入れたビューを考える事により、分散環境への対応も容易になると思われる。 上記の結果は1は茨城大学工学部研究集報に報告した。2は情報処理学会第97回データベースシステム研究会で報告する事が決定している。また、3は情報処理学会第48回全国大会で報告する事が決定している。
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