研究概要 |
この研究では,現実の問題の数理モデルによる表現を容易に行い,かつオペレ-ションズ・リサ-チの手法を簡単に適用できるツ-ルを開発するため,どのような状況ではどのようなモデルが適当で,どのような手法をどのように適用すべきかを判断し,その知見に基づいて,主としてパソコン上での適用のツ-ルを作成するという方向で研究を進めている。従来のオペレ-ションズ・リサ-チ法による解析ソフトは,とかく数値解析の手法に重点が置かれており,現実の事象のモデル化には目が向けられていないため,実務家には使い勝手がかならずしもよくない。それ故,モデル化の整理から始めて,どのようなツ-ルが実用上有効かを研究する必要があった。本年度は,主として以下の2点を行った。 1.事例研究の整理 研究の方向を決めるために,どのような計算法が現実の事例に多いか,過去の事例を数多く参照しながら分類整理中である。森村が過去にOR学会名で編集した「OR事例集」や,本年度に柳井慶応大学教授が編集した「OR事例集1991」を基に,日本科学技術連盟のOR部会の研究メンバ-等との討議を経て,事例の収集を試みた。現在,事例をパソコンに入力し,整理している段階である。 2.パソコン/ワ-クステ-ション用のソフトの整備 スプレッドシ-ト等のパソコン用汎用市販ソフトを使って,ORの計算を試みている。現在は,その使い勝手を調べる段階で,組織的な調査研究には踏出せないでいるが,来年度は近くにいるOR研究者や,学生(申請者の勤務している大学院の学生は全員社会人で,それぞれ昼間は企業等に勤務している)を被験者として,これらのソフトの使い勝手を調べる計画である。
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