研究概要 |
企業活動や行政の各分野に至る広い領域において,さまざまなオペレーションや計画の段階で,オペレーションズ・リサーチの果す役割は大きいと期待されながら,現実の適用例数は,もうひとつ伸び悩んでいるというのが現況である。これは一つには,オペレーションズ・リサーチの手法が数理的表現に頼ることが多いため,世間一般には難解な手法と受けとめられがちであるという事情によっている。このため,一般に利用しやすい環境を整備することが望まれるので,パソコンや図表などの利用により,気軽にオペレーションズ・リサーチの手法を適用できる態勢を作りたいと考え,この研究を企てた。 このため,初年度は特に過去の事例を調査して,どのようなツールを開発するのが適当かについての考察を進めようとしてきたが,今年度は更に,特定の企業を詳しく調べそこで実施された事例の現況を調査した。その結果の一部は報告書にも記載した。本年度は最終年度であるので,従来からの考察を纏めるようつとめたが,それらは大別すると,つぎの4項目になった。 1)ORの,特にわが国におけるそれの発展の概要と特徴,及び現状を踏まえた上での今後の発展方向の考察, 2)OR入門教材の具体的な例の提示, 3)パソコン程度の計算力でできるOR適用事例の具体的な研究, 4)低い範囲で利用されるためのORのツールとして備えるべき特徴についての考察 その各々に関して得られた知見や成果は報告書に記載した。一部は、適宜学会等で発表し、討議も行っている。
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