| 研究概要 |
従来,分枝限定法などの手法で解かれてきたスケジュ-リング問題をニュ-ラルネットワ-クを用いて解くための問題の表現形式について考察した。さらに,ネットワ-クの状態更新ダイナミクスについても検討し,これらの成果をもとに,ジャスト・イン・タイム生産方式における評価規準の一つである総実滞留時間を最小化するスケジュ-リング問題を解くための相互結合型ニュ-ラルネットワ-クシステムを構築した。具体的には,ネットワ-クの状態更新に確率的変動を与え,解のロ-カルミニマム状態への収束を避けることを目的とした確率論的ニュ-ラルネットワ-クシステムをソフトウェアとして構築した。このニュ-ラルネットワ-クシステムを上記の総実滞留時間最小化スケジュ-リング問題へ適用し,ニュ-ラルネットワ-クシステムを用いた解法がここでのスケジュ-リング問題の近似解法として十分な能力をもつことを示した。さらに,スケジュ-ル上のジョブの加工順序に先行関係が存在する場合の総実滞留時間最小化スケジュ-リング問題に,ニュ-ラルネットワ-クシステムを適用する場合の問題の表現形式について検討し,具体的に構築したシステムを用いて解を求め,ここでもニュ-ラルネットワ-クシステムの問題への適用性を示した。
また上記スケジュ-リング問題へのニュ-ラルネットワ-クの適用問題とは別に,FMS工具・部品割当問題へのニュ-ラルネットワ-クの適用性についても考察した。ここでは,従来の確率論的ニュ-ラルネットワ-クシステムのシステムパラメ-タ設定の煩わしさの軽減を目的として,より単純な状態更新ダイナミクスをもつ新しい確率論的ニュ-ラルネットワ-クシステムを提案し,提案システムがFMS工具・部品割当問題に十分有用性をもつことを示した。
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