| 研究概要 |
昨年度は要求スループット(プロダクトミックス)等の入力条件が長期間変化しない場合を対象とし、
1,要求スループット(X^^*,…,X^^*_m)に最も近いスループット(X_1,…,X_m)を実現するとともに、
2,仕掛期間(r_1,…,r_m)を最小化する ジョブの仕掛量(n_1,…,n_m)を待ち行列網モデルとシミュレーテッド・アニーリングを併用した逆待ち行列網解析(IQNA)によって求め得ること示した後、本解析と同一条件下でシミュレーションを実行し、両者の結果がほぼ合致することを確認した。
今年度は周期的に要求スループット(プロダクトミックス)が変化する場合を対象とし、前述の1,2の他に
3,(t-1)期の仕掛量(n_1,t-1,…,n_m、t-1)を基準としたt期の仕掛量(n_1,t,…,n_m,t)の変動をある範囲内に制限することを目的に加えて、ジョブの仕掛量(n_1,t,…,n_m,t)を求める多目的計画問題を定式化し、疑似平衡状態を連続的に仮定してIQNAによって解く方法を提案した。仮想的な半導体の製造ラインのモデルに本方法を適用し、仕掛量(n_1,t,…,n_m,t);t=1,…,Tとスループット(X_1,t,…,X_m,t);t=1,…,Tを求めた上、仕掛量等については同一の条件の下でシミュレーションを実行してスループットを求めたところ次の結果を得た。
(1)仕掛量の変動範囲を制限することによって両者の近似度を改善できる。
(2)要求スループットの変更周期Cと生産リードタイムritの比c/ritが1より大きい場合、ほぼ満足できる近似度の結果が得られる。比が1より小さい場合、近似度は満足できるものではない。
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