研究概要 |
平成4年度はそれぞれの研究者は主に以下の分担で研究を行った.研究代表者は主として情報の基本的性質に立脚し,情報理論及び符号理論を基本として情報の高信頼化,圧縮の基礎的研究を行うと共に分担研究者それぞれの情報にたいする視点をとりまとめ総合的に知識情報処理問題を考察に行った.研究分担者(石渡)は主として人間や組織における判断に必要となる情報やその判断の機構について基本的視点から考察すると共に,現在の意思決定システムの問題点及び将来像から打開しなければならない本質的問題を抽出し情報的視点から整理を行なった.研究分担者(松嶋)は主として従来型の知識情報処理の基礎理論である論理学だけでは取り扱えない新しい知識情報処理の問題点を整理し,情報理論,統計確率理論,決定理論など情報の基礎理論からの意味づけとモデル化を行った. 研究代表者と研究分担者がそれぞれ個別に研究を進めてきた情報にたいする視点をまとめ,相互に意見交換することにより,現在及び将来の知識情報処理の基本問題を情報的視点より整理し,新しい基礎理論体系の枠組みの設定を行なった.また,この新しい基礎理論体系の枠組みをさらに洗練化させ,情報の視点から整理された新しい知識情報処理の為に重要ないくつかの基本的問題にたいして基礎理論のモデルを適用する事により,いくつかの情報的視点から評価基準を設定し,そのもとで最適なアルゴリズムを提示した.また,経営工学やその周辺領域で今後必要となる将来型の知識情報システムにおける上記アルゴリズムの応用についての考察も行った.
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