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1991 年度 実績報告書

ワモンゴキブリの体液性レクチンの肢の再生に於ける機能解析と構造決定

研究課題

研究課題/領域番号 03833009
研究機関東京大学

研究代表者

久保 健雄  東京大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 助手 (10201469)

キーワードリジェネクチン / 26kDaレクチン / レクチン / 再生 / ワモンゴキブリ / 昆虫 / 筋細胞 / 上皮組織
研究概要

研究代表者らはこれまでに、ワモンゴキブリの体液から共通抗原性を示す3種類のC型レクチンを精製し、その内regenectin、26kDa lectinと命名したレクチンが肢の再生芽に一過的に出現することを見いだしている。Regenectinが再生芽の筋細胞の周囲に局在するのに対し、26kDa lectinは上皮組織の外側に局在する。従って、ワモンゴキブリの肢の再生芽形成過程では、これらのレクチンが異なる組織の細胞接着分子として働くことにより、再生芽の空間的な秩序の形成に働くものと推察される。更に、regenectinは正常な発生過程には発現しないことから、再生筋細胞の接着に特異的に働く分子であると考えられる。
今年度は、regenectinの肢の筋細胞における局在を、組織切片の染色と蛍光抗体法を組み合わせることにより詳細に解析した結果、このレクチンは筋細胞の基底膜か細胞膜の部分と、筋細胞に接する上皮細胞の内側の表面にも局在することを見いだした。このことから、regenectinは再生芽の筋細胞同士の接着に働くばかりでなく、上皮組織と筋組織という異なる組織の細胞の選別にも関与する可能性を新たに指摘できた。更に、regenectinと26kDa lectinの部分アミノ酸配列を決定した結果、これらのレクチンの一次構造は、既に我々の研究室で同じワモンゴキブリの成虫体液から精製し、cDNAクロ-ニングによって一次構造が明らかとなっているLPS結合蛋白(LPSの糖鎖部分を認識するC型レクチンの一種)の一次構造と高い類似性を示すことを見いだした。従って、これらのレクチンは、実際に一次構造の類似したファミリ-を構成していることが示された。次年度は、これらのレクチンの再生における役割を解析するとともに、cDNAクロ-ニングによるレクチンの構造解析を行い、再生芽におけるレクチンmRNAの発現を解析することを目的として研究を推進する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takeo Kubo,Kiyoshi Kawasaki,Yoshiaki Nonomura,& Shunji Natori: "Localization of regenectin in regenerates of American cockroach(Periplanata americana)legs" Int. J. Dev. Biol.35. 83-90 (1991)

  • [文献書誌] Takeo Kubo,Kiyoshi Kawasaki & Shunji Natori: "Purification and analysis of the localization of 26KDa lectin in the leg regenerate of American cockroach(Periplaneta americana)"

  • [文献書誌] 久保 健雄,川崎 清史,名取 俊二: "生物物理第31巻第6号,ワモンゴキブリの肢の再生における体液性レクチンの役割" 吉岡書店, 7 (1991)

  • [文献書誌] 久保 健雄,川崎 清史: "蛋白質核酸酵素第37巻第4号,ワモンゴキブリの肢の再生における体液性レクチンファミリ-の機能" 共立出版株式会社, 8 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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