社会林業(住民参加型林業)に関する文献の整理、資料の収集及び、中国、タイ、宮崎県での現地調査を行なった。あわせて、バングラディシュにおける社会林業の参加住民に対するアンケート調査の分析、論文作成を行なった。その結果、つぎのような成果がえられた。 (1)バングラディシュに関しては論文としてまとめ、別紙のように公表した。 (2)タイについてはカセサート大学の専門研究者からの聞取り、資料収集及び参加住民へのインタビューを通じて得たデータを整理分析し、目下投稿論文としてとりまとめ中である。 (3)中国に関しては、北京林業大学での専門研究者からの聞取り、資料収集を行うとともに現地の農民に聞取り調査を行った。この結果をとりまとめ、目下学会誌に投稿準備中である。 (4)宮崎県に関しては、二つの森林管理署での聞取り調査、資料収集及び現地視察を行った。その結果、明治以前から存在する「部分林」制度の今日の姿、昭和50年代末から開始された「分収育林制度」など、日本における住民と国有林との分収形式による共同的な森林管理の現状と問題点を確認することができた。社会林業を国際的比較というより広い視角から分析する上で大きな成果があったと思われる。
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