研究概要 |
平成16年に相模湾における急潮を研究するために、解像度が高い数値モデルを開発しました。このモデルは、Princeton Ocean Model(POM)を改良しています。POMモデルとJCOPE(Japan Coastal Ocean Predictability Experiment)データの境界条件を使ったシミュレーションは、100分の1度と166分の一度の解像度をもっています。この結果では相模湾の海岸の近い海の表面から50メートルの深さまで、反時計周りの準急潮が見られます。黒潮の動きとの関係も興味深いですから、更にシミュレーションを続ける予定です。これまでの結果は、日本海洋学会の春季大会(平成17年3月下旬)において発表しました。 急潮の研究とは別に、JAMSTECの相木秀則博士と一緒に、海の中規模渦ののパラメタリゼーション理論研究を行いました。この研究過程で中規模乱流の構造を支配する楕円型方程式を発見し、新しいパラメタリゼーションの方式を2004年9月にGeophysical Research Lettersに"Parameterizing ocean eddy transports from surface to bottom,"のタイトルで発表しました。また2004年10月にIAPSO Mixing Conference (Victoria, Canada)で"New Forms for Mean-Potential-Energy-Decreasing Eddy Parameterizations"というタイトルで発表しました。平成17年1月にはさらに一般化した理論をJournal of Physical Oceanographyに投稿しました。
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