研究課題
地下浅部の地雷、不発弾(UXO)、埋設管、遺跡などを地表から非破壊で科学的に探査する方法として、磁気探査、電磁探査、地中レーダ探査など種々の物理探査法が開発され応用されている。しかし、いずれの方法にも短所および適用限界がある。このため、著者らは、電気探査比抵抗法の原理を応用して、その目的に応じて遺跡調査など比較的地下深部から地雷探査など地下浅部まで高速に画像化できるシステムを発明することにした。この目的のために、まず遺跡探査を目的として地下10m深度程度までを電気比抵抗の画像として可視化できる電気探査装置を試作し、ハンディアーム(Handy-ARM : Archaeological Resistivity Meter)と命名した。この装置は、考古学者を支援するためのツールとしてOYOから市販されており、国内はもとよりアジア諸国など数10台が普及ている。平成17年度は、この小型電気探査装置(Handy-ARM)をさらに小型軽量化して、地表付近の地雷や埋設管を探査できる装置を発明した。すなわち、従来の電気探査装置では、砂漠などの高比抵抗層では、接地抵抗が高く、地雷埋設地の電位分布を高精度に計測することは不可能であった。そこで、著者らは、平成17年5月にエジプト国のサハラ砂漠の地雷フィールドにおいて、試作したセンサーを用いてフィールド実験を実施した。その結果、電極系および計測方法を工夫すれば、乾燥した砂漠においても電気探査比抵抗法が適用できることを確認した。このことは、電気探査比抵抗法の原理を応用した地雷探査計(Mine Explorer)は、世界のあらゆる地質条件下でも適用できることを意味しており、しかも埋設物の3次元形状、物性値を推定できる電気探査の方法は、他の物理探査の方法よりも優れており、経済的であることを確認した。したがって、日本最初の地雷・UXO探査計として特許申請中である。
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